どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
秋アニメも始まって今年のカウントダウンが始まってるのに夏休み映画のサニーの感想をまだ書き上げられない状態なのに映画は見たからまたそっちから感想をば。
熱狂的人気を誇るOVAフリクリの続編第2弾になります。アメリカでは全12話でテレビ放映され、プログレの方が先の6話だったとかいう話も聞きますが。
WATCHA3.0点
Filmarks2.8点
（以下ネタバレ有り）
1．オルタナと明確に違うフリクリっぽさ
今回のプログレはオルタナと違って、どちらかと言えばストレートに続編の感じを出してきました。アトムスク、ヴェスパ、カンチといった基本的な単語は説明をせずに出てきますし、5幕目ではOVAで見られた漫画的表現もありました。そのおかげでオルタナと比較したときにこれが見たかった、フリクリっぽさがこっちのほうがある、というような声をネットでは目にしました。
個人的にはこうした意見には違和感を覚えました。今回のプログレには確かにフリクリのエッセンスは感じます。ヒドミやイデの恋心や名状しがたい情動を原動力にしていくバトル、アトムスクを求めるためならもう一人の自分だろうと食ってしまうgoing my way なハル子。確かにそれは熱狂できたフリクリなのかもしれない。でも、かつてのフリクリをなぞっているだけならTSUTAYAで借りてくればいいわけで。あの頃良かったものを再生産すれば喜ぶんでしょ？という感じが透けて見えているようで私にはダメでした。
その点、オルタナはフリクリを現代で主流となったアニメーションの流れの中に位置づけようとしていた気概を感じました。オルタナの方がまだ良かったですね。
2．拭い去れぬハル子への違和感
オルタナ批判として、ハル子がどうしてもただの説教くさいお姉さんにしか描けていないというものがありました。個人的なハル子の印象は前も書いたように「それが面白いか、つまらないか」が行動原理のハチャメチャな人なんですよね。
そういった意味で今回のハル子を見てみると今回こそハル子像を逸脱しているようにしか見えない。ヒドミとイデの関係を強調するためでもあるんだとは思いますが、今回のハル子のアトムスクへの欲求は極めて恋心に近い。そんなに純粋な恋に恋する女の子でしたっけ、彼女？メディカルメカニカに乗り込んだ際も、ジンユが策が無いだけで喧嘩を始めてしまいますが、正直この喧嘩は何のための戦いで何をすれば解決なのかさっぱりわからない。アクションの絵としても同じようなものをこの後何回も見せられることを考えると本当に無駄な戦いだったと思います。
そのうえで、いざアトムスクが手に入らないことがわかると泣きじゃくって今度こそはって思っただの言っているわけです。そんなこと言ってるやつがヒドミに対してなにオトナ面してんの？としかならんわけですよ。好きな人に振られて泣きじゃくる、まあ好意的にもとのハル子的解釈をしても、どうしても欲しいものが手に入らなくて泣きじゃくる、これって散々っぱらハル子が煽ってきたコドモそのものなわけで。いや、これが待ち望まれたフリクリなの？ハル子なの？と疑問が尽きませんでした。
あとはハル子について触れるなら声優問題も語らないわけにはいかないでしょう。もともと、新谷真弓さんの声が大変に好きなのでそのままでいいじゃんとブーたれてたわけです。ただ、設定上分裂していると。そういうことならいいだろう、と思ったし、始まってすぐは教師として出てくるハル子cv林原めぐみさんとジンユcv沢城みゆきさんが全く新谷さんと違う声で芝居しているのでまあやるならこれくらいやってくれたほうがいい。とまで思い直していたんですよ。そしたらハル子が教師としての皮を脱ぎ去った瞬間に一気に新谷さんに寄っている。ここまで寄せられるのも凄いなぁとは思いますが、それは別の話。寄せるんだったら新谷さんのままでいいと思うし、特にジンユを飲み込んだあとは分裂設定すら意味をなさないんだから、声を戻していいと思うんですよねぇ…
正直、ここまで批判的に書いてきましたが一番問題があるのってストーリーがあるようで何もないことですよね。そのおかげで記憶に殆ど残らない作品になっちゃったこと。だからそんなに書くことも思いつかない…
低めの声の演技の水瀬いのりさんと「天体のメソッド」のノエル役のようなアホで明るい演技の水瀬いのりさんを見れたことだけが収穫かなぁと3幕目の始まる頃には思ってしまっていました。うーん、わざわざ昔の名作をやるならその意味をもっと欲しいですよね…
