抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

ミニマムなヒーロー。そしてアベンジャーズ4へ?「アントマン&ワスプ」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 今回はMCU最新作にして衝撃のアベンジャーズ/インフィニティ・ウォーの次なる作品という事で期待の集まった「アントマン」続編です。インフィニティ・ウォーで不在だったアントマンはいったい何をしていたのか、が明かされます。

tea-rwb.hatenablog.com

 注:上記リンク先含めアベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのネタバレがあるので注意してください

アントマン&ワスプ (吹替版)

 

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

(以下ネタバレ有り)

 1.文字通りミニマムなヒーロー

 世界、いや宇宙を巻き込んだ大戦争となったインフィニティ・ウォー。シビル・ウォーでキャップチームに参戦したはずのアントマンことスコット・ラングはスカーレットウィッチとビジョンの危機に現れることはありませんでした。ホークアイと並んで2人だけの欠席は大変に目立つと同時に、サノス打倒のカギを握るのは間違いないのでは、と予想もできます。

 そんななか、スコットはソコヴィア条約違反で自宅に軟禁されていたことがわかります。家から出たら牢屋行き。というわけで必然的に話の舞台は非常にミニマムに。それに合わせて、ストーリーもアントマンの生みの親ピム博士の妻で、スコットのパートナーになりかけたホープヴァン・ダインの母ジャネットを量子世界から救出する、それだけの話。敵もここ最近のドルマムゥ(ストレンジ)、キルモンガー(ブラックパンサー)、サノス(インフィニティ・ウォー)といった大きな背景や強大な力を持った相手でもありませんでした。

 あれだけの大きな物語の後なので極めて意図的だったと思いますし、またそれが良かったとも思います。アントマンのヒーローたる理由も、父親は娘にとってヒーローという一番ミニマムでしかし真理ともいえるもので本当に小さな、小さな物語に徹底されていたと思います。小さい、といえばアリは今回大きくなって電子工作とかまでしちゃってますが、次々とカモメにアリが食われるシーンでスコットはしっかりショックを受けてたりしたのも彼の人間性を表していてよかったシーンでしたね。

2.予告編の功罪

 今回の「アントマン&ワスプ」、1番の魅力は前作まではスコット自身と敵のイエロージャケットだけが小さくなるだけだったのが、あらゆるものが大きく小さくなるところでしょう。小さくなったせいで機関車トーマスが怖く見える、といったものが前作ではありましたが、今作ではシビル・ウォーで登場したジャイアントマンに加え、キティちゃんのラムネ入れの巨大化などのアクションや車がミニカーのように小さくされて保管されていたり、ピム博士のラボ自体がキャリーケースのように小さくして持ち運べる、といったところの映像的なワクワク感でしょう。これに敵役のゴーストはものを透過できる、ということでさらなる映像的な面白さが拍車をかけています。

 が、こうしたワクワクするものすべてがもう予告編で見せちゃってるんですよね。映画館に足を運んでもらうための予告編とはいえ、面白い戦闘を殆ど見せちゃうと逆に本編見なくてよかった、ってなってしまう。これはやめてほしい。そのうえで改めて戦闘を考えると、相手はどうあっても人間サイズから動かないのでそこの部分の驚きがない。そういった意味で少し難しいところも感じました。

 逆に予告編でよかったのは、娘キャシーとの会話。予告編だとキャシーがホープのようなパートナーが必要だと諭しているようでしたが、実際はキャシーがパパのパートナーに立候補するものでした。父はヒーローというアントマンの持つテーマにとって極めて重要な台詞を編集で隠してくれていたのはナイスだと思います。

 他に予告編で隠されていたといえば、ピム博士が突入し、ジャネットと再会する量子世界ですが、まあ正直前作でスコットも突入しているし、MCUでいえばGotGやドクター・ストレンジなんかで色彩豊かな世界の果て感は既にみているのでそこまで興奮する要素ではなかったように思えます。

3.単線がゆえに

 極めてミニマムにする、それ自体は良い狙いだったと思うのですが、それがうまくいってないように感じたのが正直なところでした。

 やはりどうしても敵役の魅力不足が否めないと思います。本作のヴィランであるゴーストは父を量子実験で失い、その影響で体が壁を透過できるようになったというもの。自分の体を取り戻すためにジャネットからエネルギーを抽出しよう、というもの。ただ、事故的に得た能力な上に命の制限が近い、おまけに親的存在の教授が善悪の狭間に立ってるところなんかも合わせて極めてグレーな存在なんですよね。

 ストーリーが単線的なのに少しややこしいのは、登場するファクターの多さ。スコット&ホープ&ピム博士のチームに対して、ヴィラン役のゴースト&フォスター、そして裏社会のフィクサーにFBIと3つの団体が邪魔してくるわけですよ。ゴースト自体のヴィランとしての魅力不足、というより完全な悪の不在のためにフィクサーのバーチが登場したんだとは思いますが、それぞれの意図がなかなかわかりづらい部分もあるので追いかけるのは結構大変。それぞれの掛け合いなんかは面白いんですけどね、ウー捜査官とスコットのやりとりとか、バーチと自白剤飲まされたルイスのアフレコ早口とかね。

4.アベンジャーズ4へ

 さあ、MCUお決まりのエンドロール前後の映像で時系列がインフィニティ・ウォーに追いつきました。

 折角量子世界から帰還したジャネット含め、今回のヒーローチームはスコットを除き、サノスによって消えてしまいました。更にサノスは量子世界の中に取り残されてしまいました。生き延びていたゴースト&フォスター組、キャシーやウー捜査官の生死は不明です。

 考えられる展開はいくつかありますが、気になるのはまずはゴースト。ゴーストの為の量子エネルギーを取りに行っていたので、ゴーストが助けに来てくれる可能性がありますし、何らか絡んでくる可能性はあります。

 あるいは、量子世界に突入する前に言っていた時間の渦的なモノの存在。一部ではアベンジャーズ4では時間遡行するのでは?的なことを言われているのでこれがカギになるかもしれません。

 最後に生死一覧表を更新して、次のキャプテン・マーベルを待ちたいと思います。

  •  アイアンマン(スターク社長、ローズ、ペッパーハッピー
  • ハルク
  • ガーディアンズクィルガモーラ、ロケット、グルートドラックス、ネビュラ、マンティスコレクター
  • ストレンジ(ストレンジウォン

黒字が生存を確認、赤字が死亡、青字が指パッチンで消滅、緑字が映画には出たが消息不明、黄字が映画自体に登場せず、となっています。