抹茶飲んでからマラカス鳴らす

見た映画、読んだ本、見たアニメ。そんな話を中心に。。。

小規模公開なのに超満員も大納得の「カメラを止めるな!」感想

 どうも抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 ワークショップ映画にして超小規模公開ながら、TBSラジオたまむすび内のアメリカ流れ者にて町山智浩さんが紹介していたことに合わせ、ネット上での大絶賛を受けて見に行ってきました。「カメラを止めるな!」です。

 ファーストデイの日曜ということで、10時ぐらいに劇場についたのに14時台の回が売り切れ。16時台の回が私の乗ったエレベーターでぴったり売り切れというところで人気を思い知ることになりました。それにしても早く出てきてよかった。

 絶対前情報見ないほうがいいので、見てない方はUターンで!!

f:id:tea_rwB:20180704222438j:plain

 

WATCHA4.5点

Filmarks4.3点

(以下ネタバレ有り)

 1.圧倒的B級、いやZ級感からの…

 前半約40分間この映画、クッソつまらないんですよ。

 ゾンビ映画だっていうことはわかるんですが、役者も棒読みで脈絡のない脚本、唐突に出てくる監督。無駄にちゃんとグロめにやってはいるんですが、間が明らかにおかしかったりと。えー、なんでこれが大絶賛なの、世間と自分のズレってここまで大きいの?っていうかもしかしてアイアイムアヒーローぐらいしか見てない未開の地、ゾンビ映画においてはこれでも傑作なの?と自分に疑問符を打ち続けるのです。それでもノーカットでほぼ40分手持ちカメラ一台でやりきったのはまあ凄いのかもしれないと自分を納得させるわけですよ。

 ところが!ところがですよ。一通りゾンビ映画がエンディングを迎えたところで、これが映画内映画だったことがわかるわけです。

 ここからカメラは1か月前に戻り、先ほどまで見せられていた作品がとあるテレビ局のゾンビ専門チャンネルの開局記念特番で生放送ノーカットのゾンビドラマだった事が明らかになります。つまり作品内作品での監督やメイクなどのスタッフもまた俳優だったわけです。平凡な映像監督の主人公にその撮影の話しが回ってきて、それを受諾。顔合わせの結果、曲者ばかりの現場だということがわかるわけです。

2.愛すべき曲者たち。そして当然の顛末。

 主役の俳優は作品に命を懸けるタイプで気に入らないと監督と直談判するような人。一方のヒロインのアイドルはやる気はあるというものの、自称事務所NGで面倒くさそうなのを全部断っていきます。彼女の「よろしくでーす」はレディプレの「俺はガンダムで行く!」並みの流行語大賞候補では。更には監督役とメイク役が不倫してて、スタッフ担当も断酒中のアル中に硬水だとお腹を壊す俳優。腰痛持ちのカメラマン。そして本物志向の過ぎる監督の娘に元女優の監督の奥さん、この先まで含めた登場人物をしっかりと顔見せしていくわけです。

 こうした面々が撮影当日を迎える訳ですが、事前に予想されたトラブルが満載。監督役とメイク役が同乗した車で事故ってこれなくなり、監督本人と奥さんが出演することに。ここから始まった本番ではありとあらゆるトラブルが彼らを襲ってくるわけで、その対処がカメラの裏でどう行われていたかが語られ、不自然にZ級だった前半のノーカットの舞台裏をすべて明かしてくれるわけです。これがことごとく外すことなく面白い。

3.ただ面白いだけでなく…

 最後までどうやってあのワンカット映画が撮られたか、が語られる映画になり、エンディングでは実際にはどう撮ったかも流れ、メタにメタが重なるわけですが、この作品は単に面白いだけでなくモノづくり論としてのアプローチがとてもよかったと思います。

 主人公の監督のモットーは早い・安い・質はそこそこ。妥協も必要だと本物志向の娘に諭す場面なんかもありました。

 ところが、本番途中、ゾンビを召喚するための血文字が映せなくなるトラブルが発生するのですが、プロデューサー的人物は「作品より番組」と諭すわけですが、ここで初めて歯向かうわけです。俺の作品だ!と。思い返せば、裏で「作品より番組」なんていってほだしていた主演俳優にアドリブでうっかり監督役として俺の作品だ!という台詞を吐いていたわけですよね。

 面従腹背、ってわけじゃないですけど命を懸けるような作品を作らず、毎日そこそこのものを作り続けていたとしても、最後の矜持を持っていたというか。ものづくりにおける責任の所在、それが誇りにもつながるのかな、なんて思いました。

 

 終演後にはキャストの皆さんのご挨拶もあり。町山さんの紹介がなければ見ない作品でしたが、そういう意味での作り手の愛情も感じました。いやー見てよかった。