抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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交差する日常と愛のかたち「パンとバスと2度目のハツコイ」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 本日は予告編を映画館で見た限り、昨年の傑作「勝手にふるえてろ」によく似た拗らせ女子の恋愛観の話っぽい、ということで普段は乃木坂にもJSBにも恋愛系映画にも興味がないのに見に行った「パンとバスと2度目のハツコイ」(以下パンバス)の感想です。

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WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

(ネタバレ有り)

 1.「パンとバスと2度目のハツコイ」VS「勝手にふるえてろ

 パンバスは冒頭、いきなり主人公のふみが務めるパン屋に女性が怒鳴り込んできます。どうやら同僚が不倫していて奥さんが怒鳴り込んできた模様。

 その後、ふみは2年間付き合っていたイケメンの彼氏にプロポーズされ、それをこの先も愛される自信も愛する自信もないと断ってしまい、そのまま別れることに。

 …ヨシカは完敗じゃねぇか!!!

 というわけで、対決させといてなんですが、両者の映画は拗らせた恋愛観を持つ、という点では似ているように見えた映画でしたが、かたやオタクカルチャーどっぷりのダメ女子。かたや、いろいろ経験してきたがゆえにふわっとしているリア充女子。いわば「勝手にふるえてろ」でいえば来留美ちゃんとか、あるいはイチに群がるタワーマンション系女子の方のお話だったのです!(あの人たちほど類型化されてる訳ではないが。

tea-rwb.hatenablog.co

2.愛を探して

 話の本筋は、彼氏のプロポーズを断り、愛とは何かがよくわからなくなっているふみが、初恋、同性愛、不倫、幸せな結婚生活、別れたのに片思い、といった様々な愛のカタチを知っていくというお話になります。「勝手にふるえてろ」のヨシカと違って華があっていい役なので、主演の深川麻衣さんの持つアイドル性は邪魔になることはありませんでした。まあ、相手役もJSBの方なのでどうしても殿上人のお話に見えてしまう部分はありますが。

3.日常の交差

 この映画が非常によくできているのは日常・非日常の切り替えです。

 序盤、ふみは3時半に起きて目覚ましを止め、出勤し、タイムカードを押す。早番なのでお昼には退勤して、持ち帰ったパンを洗車しているバスを見ながら食べる。そして寝る前には緑内障の目薬を差す。ずばり、ふみの日常を繰り返すわけです。

 そこに訪れる非日常=初恋の人であるたもつとの再会。ここから話が大きく広がり、たもつの日常を感じながらも、非日常として触れ合っていた二人。さとみの留守中の家でお菓子作りをするあたりは、さとみの日常を覗き見る非日常の演出。

 プロポーズの場所を訪れ、さらにはふみの家にたもつが泊まるという究極の非日常イベントを体験したのち、ふみの日常である明け方の空を共有し、2人は付き合い2人でいることを日常にする、という展開になっていきます。ふみにとってある種非日常の典型として描かれていた愛でしたが、日常としての愛を知り、そして自らも日常としての愛を獲得していく過程はとても良かったです。

4.惜しいところ。

 ふみとたもつの関係性が非常に重要な本作。だからこそ、2人の位置関係が惜しいと感じました。2人は最初にパン屋の店員と客という立場で会います。次が居酒屋で隣通し。そして同じバスの中。更には同じキッチンに立ち、車の運転席と助手席にまで接近し最後は同じ部屋で寝ています。徐々に近づいていく2人の関係性を表す意味でも居酒屋では、向かい合っていればもっとよかったなぁと思います。

 ほかにも、洗車しているバスの中にはいるシーンは視点や考え方の切り替わる瞬間を表す演出と思われますが、外から見ていた=非日常だと思っていた恋愛にたいしてふみが内在する恋に気づく(洗車を中から見ている)、というほどでもないように感じました。これももったいないような。

 よくなかったのは、子役の使い方ですね。さとみの子どもにしろ、コインランドリーの少年にしろ、そんなこという子どもいないよ感が年の割にかなり強く出てしまい、勿体なく感じます。

 ただ、こうした点を考慮しても、本来苦手な恋愛系の映画を、しかも非常にゆったりとした空気感ですすむ2時間を何の苦悩もなく見続けることができたので、公開館数が少ないのが残念ないい映画だったといえると思います。