抹茶飲んでからマラカス鳴らす

見た映画、読んだ本、見たアニメ。そんな話を中心に。。。

とにかく労力に喝采。「KUBO二本の弦の秘密」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB) です。

 順番が前後してしまったのですが、12月1日に鋼の錬金術師と合わせてみたKUBOの感想です。

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WATCHA4.5点

Filmarks4.4点

(以下ネタバレあり)

 1.労力に喝采。

 今回のKUBOは、ライカスタジオというところの作ったストップモーションアニメによる映画です。ストップモーションというと、ピングーやひつじのショーンなどが思い浮かびますが、とにかく1カットごとに少し動かしては撮るという莫大な労力を要する作業となります。

 KUBOでもエンドロールでその制作過程の一部が公表されていましたが、主人公クボの表情の数が4800万通りとか、そのような血のにじむような努力を1100円で見れてしまったことにまずは感激しました。時代はCGへと移行して久しい中で、最新技術を投入しながらCGと遜色ない美しい映像をストップモーションで描くことが凄い…

 アニメーションで言えば、新海誠監督作品や京都アニメーション制作の作品は美術の美しさが際立ちますが、その美しさとも違う、しかし確実にそれと同レベルの美しさでした。三味線を弾きながら折り紙が動きだすアクション、月の帝の最終形態、挙げ始めれば枚挙に暇がありません。とにかく監督以下ライカのスタッフさんの労力に拍手喝采感謝感激雨あられです。

2.半端じゃない日本へのリスペクト

 さて、映画のお話自体に話を移します。本作の舞台は中世日本あたりか。言いつけを破って敵に追われるようになったクボが三種の神器的な三つの武具を集める的な王道展開です。楽器を弾きながら物語るというところは鎌倉時代の琵琶法師だと思うし、折り紙、三味線、鎧兜刀の三種の神器といったツール、ラスボスが月の帝というところ(本当はそれ以外もだが)は竹取物語。中ボスでがしゃどくろも出てくるし、灯篭流しに盆踊りのような描写も。中途半端に日本文化を摂取したというよりも、しっかりと平安~室町時代の日本をしっかりとリサーチして必要な要素を取捨選択していて、日本への格別なリスペクトを感じました。ここまでのは、パシフィック・リム以来でしょうか。

3.物語論としてのKUBO

 ストーリーとしては、極めて王道的展開なうえに、灯篭流しで墓に現れない父→実は生きてました、などフラグ回収も綺麗だったのでエンターテイメントとして上質な作品でしたが、もう1つ重要な要素を内包していました。それが物語論的アプローチです。

 ラスボスの月の帝は不老不死を餌にクボと対峙するわけですが、不老不死とはすなわち終わることのない無間地獄な訳で、始まりと終わり、すなわち生と死がある物語の中で生き続ける、という論法でクボは迎え撃ち、月の帝を新たな物語に取り込んで許すことになります。対不死の誘惑の構図としてありがちな物語論的説得ではありますが、それ故に抜群の説得力。冒頭から物語ってきたクボだから許される結論だったと思います。

4.その他いろいろ

 普段、自分が洋画を見るときは字幕が殆どなのですが、今回は選択肢がなく、吹替で見たのですが、今回はあたりでしたね。サル役の田中敦子さんは抜群でしたし、クワガタ役のピエール瀧さんはオラフを思い出させる名演で吹替に不可欠な人材だと改めて感じました。勿論、シャーリーズ・セロンとかマシュー・マコノヒーの方も聞きたかったですが。

 まあ、サル=母とかクワガタ=父という隠された真実を襲ってきた叔母さんたちは把握してないとことか、敵陣のホウレンソウしっかり!って思ったり、さすがに鎧があの湖にあるのはご都合主義だなぁとか思うところがなかったわけではありませんが、それらは圧倒的美の前にひれ伏すのです。

 実は1番驚いたのは、今作の監督にしてライカ社長のトラヴィス・ナイトさんの次回監督作がトランスフォーマーシリーズのスピンオフであるバンブルビーだってことでした。