抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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2017年漫画実写化の締めくくり「鋼の錬金術師」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 いよいよ年末ですが、書き溜めまくったブログ記事を順繰りに更新して行ければと思います。本日は、2017年の邦画の特徴の一つだった大人気漫画の実写化の〆を飾る通称ハガレンです。原作全巻愛読しているので楽しみ半分、あきらめ半分で鑑賞してきました。

鋼の錬金術師 DVD

 

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

(以下ネタバレあり)

 1.がっかりな出だしとそれを取り戻す後半

 今回の作品を語る上でもっとも外せないのはタイトルのシーンでしょう。

 タイトルは本作の主人公であるエドとアルの兄弟が死んだ母親を取り戻すための人体錬成を行ったシーンでの登場になりました。ただ、登場の仕方が…子役の演じる幼少期の2人。錬金術を発動した刹那、嵐のようなものが巻き起こり、家が崩壊し、そして板に乗って消えていくアル。「鋼の錬金術師」どーんっ。頭が痛くなるというか、ギャグ映画だったか怪しく感じ、まぁ原作第0巻もらえたしお金はその分だと思おう、と諦めた瞬間でした。

 ただ、そこさえ乗り越えてしまえばよく原作をリスペクトした上で賢者の石を主題に据えて再構成した作品にはなっていたと思います。タッカー事件、そしてヒューズ殺害にラスト戦としっかり要諦を抑えていた展開でしたし、タッカーこと大泉洋がただの勘の鋭いガキが嫌いな嫌な奴だけでなく、第5研究所の地下にまで登場したのは嬉しいサプライズでした。

2.原作未読者には厳しいかも…

 登場人物の関係性だけでなく、ホムンクルス関係、賢者の石などの説明に真理の扉まわりなど、説明の非常に難しいところが多いのがハガレンの特徴でもありますが、映画ではまずその難解で変換しづらい用語をだした後に説明が長々とくる形で、原作を読んでいない人には厳しい展開だったかな、とも思います。エンドロール後のエンヴィーの本体が出てきたシーンも????だったと思いますし。

3.その他雑感。

 まず予告編から感じていたことですが、VFXとかの周りは頑張っていたと思います。日本映画としてはまずまずだったし、ただのコスプレに見えないように配慮はされていました。また、アルの姿は確かにそこにありましたし、声の違和感もすぐに消えました。ただ、今年の頭にドクターストレンジを思うとハリウッドには叶わないなあと思ってしまいますね…地面が動く描写や真理にたどり着く心の旅のシーンはレベルがハリウッドと日本では違うと言わざるをえないと思います。

 ↓ドクター・ストレンジの感想はコチラ↓

tea-rwb.hatenablog.com

 さぁ、他には突っ込みどころ満載の部分を突っついていきます。

 どうしても気になるのは第5研究所の戦いですね。人造兵士が解放された直後、ホークアイ中尉が地上の軍の先頭に立って指揮して、その殲滅にあたっていました。でも思い出せばこの直前、マスタング大佐にヒューズ殺害の容疑がかけられて、アルとホークアイは捕まっていたはずです。そこから脱走した兵士の言うことを信じて綺麗に隊列を並べて準備するって、軍としてどうなんでしょうか。そういえば、ホークアイ中尉は強さが全くなくなって、鷹の目感はゼロでしたね。強さは大佐に全振りされちゃってました。

 また、ヒューズが殺害される原因となった国土錬成陣に気づいたこと、ですがまあその説明がなくヒューズが何故死ななくてはならないのか、原作未読の皆様には難しかったと思いますが、更に定規で線を引くなどしてヒントを得ていたのに、ホムンクルスはそれらはガン無視してました。後から誰かが見たら気づくだろうに。無論、国土錬成陣に気づくきっかけとなるリオールの暴動がコーネロ司教になりすましたエンヴィーの仕業だということも描写不足な感じもします。

 また、中盤のピークと言える兄弟喧嘩も、アルに対してエドの「ずっと言えなかった事がある」という前振りがないので考えすぎのアルがほんとにバーカって思うだけになった感じがしますし、ポスターから爆笑していたウィンリイのサイズのおかしなスパナ登場でギャグと化してしまったのかな、とも思います。

 あとは大佐でしょうか。ヒューズとの友情描写がエドに負けたために特別な親友ではなくただの同期感が出てしまい、復讐に燃えるマスタングという感じがなく結果単純にエドより強くてかっこいいディーンさんというだけに。スカーに諭される未来がなさそう…

4.続編はユニバースにしない?

 エンドロール後にエンヴィーの本体が出てきたことを考えると続編を作るつもりだと思います。ただ、真理の扉を登場させたあたり、着地点は原作と同じはず。そのことを考えると、ホーエンハイム、ブラッドレイ、イズミ夫妻、アームストロング姉弟、スカーにホムンクルスチーム、そしてリン・ヤオとメイ・チャン、登場させたい人物がメインどころでもいっぱいです。

 折角なので、スカー主人公で1本、アームストロング少将(姉のほう)主人公でブリッグズ編を1本、グリード登場および回想でハガレン2をやって、大佐主人公でイシュヴァール過去編を1本。最後に全員登場のハガレン3で大団円、とかどうでしょう?

 

写真はピカデリーにあったクリスマスアルフォンスです。 

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