どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
今回は、チェ・ゲバラ没後50年で日本とキューバの共同製作作品、ということで食指が動いたので見てきました。
Filmarks3.2点
WATCHA3.0点
(以下ネタバレ有り)
1.そもそも論
正直キューバ革命に関わったぐらいしかゲバラの知識が無い上に、予告編で語られるゲバラ来日や、フレディ前村の存在は全く知りませんでした。没後50年って聞いて、調べて初めてボリビアでゲバラが生涯を閉じたことも知りましたし。
ただ、オダギリジョーが普通にスペイン語で全編喋ってるとか、後日本とトルコの合作でエルトゥールル号事件を描いた海難1890を見損ねてたこともあって、これは見ねば!と滾っていたわけです。ゲバラと志を同じくしてキューバ革命に身を投じた日系人の話だと信じて…
2.予告編詐欺と言われても…
実際に見てみたときに、予告編がかなり上手に編集されているのがわかりました。盛り盛りでしたね…
ゲバラの来日シーンはその事実を映画として残すこと自体が目的となっているようにぶつ切りで、本編での関わりはセリフ1つぐらい。原爆の慰霊碑の碑文から、日本は戦争の責任をとっているのにアメリカはとっていない、的な良いメッセージを読み取っているのにもったいない。
そして何より、フレディ前村はゲバラにとってなんともない存在だったという。エルネストの名前を授けたのは何故なのか、ほんとにただの偶然ってだけやん!って感じです。がっかり。ゲバラが名前を託した(←ほとんど嘘)日系人がいたことを…うん。予告編詐欺と言われてもしょうがないですね。
ボリビアから奨学金で医療大学に留学してきたボリビアの日系人であるフレディ前村を通してキューバ危機を描き、市井を描く、という試みはとても面白かったと思うんですが、大学を辞めてボリビアに帰国すると決めた際に、フレディが言われていた「ただの医学生に何が出来る」的なセリフがほんとにその通り。
結局、ゲバラとフレディが互いに高い志と夢に生きたところを共通点に描きたかったのだろうが、フレディがゲバラを通して革命の志を抱いたのか、あるいは元々左翼思想の持ち主だったのか、そういったところの書き込みが全くないのでわからない。なんか、カストロにゲバラといった英雄に会えて、浮き足だっただけのミーハーの勘違い野郎にも見えてしまう。
ゲバラは「憎しみで始まる戦いは勝てない」と言っていたのに、フレディはまさかの憎しみによって殺されることになります。このまさかの人物の登場も回想1回きりで、思い入れもないキャラなので驚きも少なく、メッセージ性のブレも感じてしまいました。
結局の所、作ること自体に意義がある。そういうタイプの映画だったのかな、と思います。勉強になった、あるいはそのきっかけになったとは思いましたが、エンターテイメントとしては、不合格でしょうか…