抹茶飲んでからマラカス鳴らす

見た映画、読んだ本、見たアニメ。そんな話を中心に。。。

現代ドラマ版「そして誰もいなくなった」

どうも抹茶マラカス (@tea_rwB) です。

屍者の帝国の感想をあげる前にもう一度録画を見直そうとしたら時間がとれず。。。

代わりと言っては何ですが、土日に2夜連続放送されたアガサ・クリスティの名著のドラマ化「そして誰もいなくなった」の感想を。

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(以下ネタバレあり)

  まあ、ネタバレと言っても、かなりの古典的名著で綾辻行人十角館の殺人』など、似た作品、というか多くの作品の源流となったお話です。原作を読んだのもずいぶんと昔に感じます。なので、原作比較は細部までは覚えてないのでそこそこです。

 率直に言えば、かなりの原作リスペクトをしながらも、現代に舞台を移すための工夫がかなり丁寧にされていました。また、流石に原作通りに流れ着いた瓶の中の手紙で解決させるわけにもいかないので、警察の捜査パートはほぼ新規ということになりましたが、こちらも十分よく出来ていたように思えます。

 そもそも、クリスティの作品はミステリーにおけるほぼ全ての掟破りを実施し、現在までのミステリーの源流の一つなっていることは言うまでもありません。3Cとはよくいったものです。(アーサー・コナン・ドイルアガサ・クリスティ、ジョン・ディクスン・カー)彼女の作品はそのため、映像化すること自体がとても困難であるといえます。何年か前にも、オリエント急行殺人事件をやっていたような気もしますが。

 また、現代のミステリーにおいて、新本格が全盛の時代と最も違い、最も困難なのはクローズド・サークル(外部との隔絶された環境)の作り方です。電話・スマホ・PC・さらには今回登場したドローンなど、今や世界中が繋がっています。その中で、TV番組の設定にしておいて孤島に閉じ込め、ドローンで新聞を配達させる手法は、説得力を持たせるには良い塩梅だったのではないでしょうか。

 さて、登場人物のそれぞれが抱える設定・死に方・断罪される過去・順番・犯人など基本的な部分は全て原作通りでした。主人公に仲間由紀恵を据えたことで彼女視点が増えてはいるものの、群像劇的に展開をしていきました。その中で数点のみ引っかかりが。

  1. スマホをしまった金庫の暗証番号は翠川が決めたものではないのか?だとしたら、どうやって判事は開けた?(まあ、この疑問はそもそも自分で設定して翠川さんに暗証番号を教えてあげれば解決ですが。。)
  2. 全てが始める前に殺す順番を発表しているが、残り2人になったところでケン石動が先に白峰を撃つ可能性を考慮していない。
  3. 10人が先に隠しカメラに気づく可能性をまるで考慮していない。それなのに事前に芸術とまで言い切っていいのか。

 ま、このぐらいでしょうか。全ての状況を監視カメラで撮影し、SDカードで遺しておく手法など、判事さんの自己顕示欲は原作以上に高く描かれましたが、これは現代でやるための設定上は仕方ないのでは。

 判事の死体の検死だけあからさまに緩いので真相を知らない方も、わりとわかりやすかったかもしれないですね。

 最後に、遺作となった渡瀬恒彦さんですが、十津川警部として数々の難事件を解決してきながら、最期は歴史に残る名作の犯人役。死期が近い中の独白という設定の演技は鬼気迫るものがありました。名優のご逝去、心からお悔やみ申し上げます。